コンクリート構造物の止水をする
ハイインジェクション止水工法
ハイインジェクション止水工法とは
ハイインジェクション止水工法とは、地下水など水と接するコンクリート構造物において、打継部やコールドジョイント、クラック、豆板などの原因で生じた漏水に対し、
- 1 漏水個所のひび割れに向かって貫通するようにドリル削孔して注入口を作り
- 2 注入用パッカー「HP-70」やインジェクター「ALケミストプラグ」をそこに挿入
- 3 水との反応により発泡・固化するウレタン樹脂系注入材をパッカーまたはインジェクターを通して高圧注入
する工法です。
この止水工法は信頼性が高く「水みち」となる微細なひび割れにも充填可能です。
止水工法手順の例
注入用パッカー / インジェクター |
注入機械 | 注入材 |
---|---|---|
HP-70 ALケミストプラグ |
・電動式注入機(高圧注入ポンプ) NW-500 ・手動式注入機(手押しポンプ) ・エアー駆動式注入機 …など |
・ウレタン樹脂(親水性・疎水性) トリオジェクトU(親水性) ・エポキシ樹脂 …など |
注入用パッカー・インジェクター
HP-70
名称 | 外径 | 全長 | 機能 |
---|---|---|---|
HP-70 6㎜ | Φ6㎜ | 45㎜ | |
HP-70 8㎜ | Φ8㎜ | 75㎜ | |
HP-70 8㎜NR | Φ8㎜ | 85㎜ | 逆止弁付 |
HP-70 8㎜NRS | Φ8㎜ | 75㎜ | 逆止弁付全長75㎜ |
HP-70 10㎜ | Φ10㎜ | 75㎜ | |
HP-70 10㎜NR | Φ10㎜ | 85㎜ | 逆止弁付 |
HP-70 13㎜ | Φ13㎜ | 85㎜ |
ALケミストプラグ
注入用機械
NW-500
止水工事の現場で使いやすい軽量・コンパクトな設計の電動式高圧注入ポンプです。
作業手元に圧力計があるため、過不足のない充填が手軽に行えます。
“劣化した部品を取り寄せ交換したい”などのご相談は、お手数ですが当社までお問い合わせください。
注入材
トリオジェクトU
無臭で耐久性に優れた、親水性ウレタン樹脂系の1液型注入材です。水と反応して速やかに固化するため、止水工事に適しています。
そのほか紹介できる注入材
ハイインジェクション止水工法 Q&A
Q1
削孔する際、何㎜のドリルを選べば良いでしょうか
A
パッカー/インジェクターの径と同じサイズのドリルで削孔してください。
例えばHP-70(8㎜NR)ならばドリルは8㎜。ALケミストプラグならば径10㎜タイプのみなので、ドリルは10㎜をご用意ください。Q2
注入用機械NW-500は定期的にメンテナンスする必要がありますか
A
不具合なく使い続けるためにも、使用後には機体を充分に清掃・オイル通しをお願いします。
尚、①清掃の際、機体吐出口のボール・スプリング箇所に樹脂が溜まり固化すると正常な能力が発揮できなくなります。この箇所は使用後に必ず清掃願います。
②機体に強い衝撃を与えてしまい「部品が破損したようで異音が出る」「駆動部などが異常な熱を発し始めた」といった場合は直ちに使用をやめて当社にご連絡ください。内部清掃説明動画
Q3
漏水のないひび割れにウレタン樹脂系注入材を注入したいのですが。
A
止水材としてのウレタン樹脂は水と反応して発泡・硬化するタイプですが、水を多く取り込んで反応する「親水性ウレタン樹脂」と少量の水で反応し耐久性の高い固化体を形成する「疎水性ウレタン樹脂」に大別でき、漏水の程度によって親水性か疎水性のいずれかを選定します。
また、水を伴わないひび割れの場合は、超微粒子セメントスラリーやエポキシ樹脂系ひび割れ注入材を使用するか、あるいは先行してひび割れに水を注入してからウレタン樹脂を注入してください。